彦根市本町地区の街づくり構想を具現化する上で、古きよき伝統を、未来へつなげる街 Traditional & Future の景観イメージ、建築様式を取り入れて、全体で統一感のとれた魅力的なまちづくりを行います。
近江の東玄関、彦根は、関ヶ原の合戦後、初代彦根藩主、井伊直政が、実権を握り、井伊家三五万石の居城として栄え、経済、文化の中心的存在であり、中世から近世に掛けての、貴重な歴史遺産を数多く残しています。又、開国を英断し、今日の日本の礎をつくった井伊直弼を育てた彦根は、武とともに風雅を尊ぶ土地柄でもあり、武具、武器の製作にたずさわった塗師、指物師、飾り金具師などが、平和産業としての仏壇製造に転向し現代に、技術と伝統が引き継がれています。
このような時代背景と、彦根市ならではの建築様式を生み出し、50年後、100年後を見越すまちづくりの方法が、明治、大正時代のディティール(擬洋風建築)と、現代建築の融合であり、日本伝統技術をはじめ、彦根市地場産業、伝統、文化と最新技術との融合です。
それらを建築物のひとつとして取り入れていくことが、彦根市ならではの新しい建築になります。
自由を謳歌した明治・大正の建築意匠と現代建築を融合したまちなみ景観である「大正浪漫」をコンセプトにデザインの共有をしています。
私たちは、大正時代の雰囲気を醸す新しい景観の中で、まちを感じとり、訪れる人にとっても何をどうすれば一番心地よいかを考えながら、暮らしを求めまた、商いを求めてゆきたいと思います。
そうすることが結果として、よりいっそう大正という時代を際だたせ、江戸時代の文化と西洋とが融合し、独自の文化を謳歌するダイナミズム溢れる四番町スクエアが誕生するのだと考えています。
近年、より豊かな社会の実現にむけて、バリアフリーという言葉をよく耳にします。 私たちは、人に優しいまちづくり、そして、人々が積極的にアプローチしてゆくまちづくりをめざし、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れていきます。 ユニバーサルデザインは、快適なまちづくり、人々が外に出る原動力となるでしょう。